リチャード・サッパー デザインイノベーション特論

5月26日、今日の山崎先生の授業はリチャード・サッパーでした。



リチャードさんはミュンヘン大学卒業後ベンツのデザイン部門でベンツのバックミラーをデザインしてその後ミラノに移って、ジオ・ポンティの事務所でルナ・シャンテのデザインをして人脈を広げ、マルコ・ザヌッソとデザインをしていた。また、FiatやIBMのコンサルタントをしていた。

IBMのコンサルタントをしていたときに山崎先生は知り合ったみたいです。


ジオ・ポンティ(建築家・インダストリアルデザイナー)について
・ミラノサローネの先駆けとなるトリエンナーレエキシビションを開催した
・デザイン雑誌「Domus」の発行した
・コンパソドール賞というデザイン賞をつくった
・ブルーノムナーリとデザイン活動をしていた

ジオ・ポンティの事務所でバイクのデザインする仕事が舞い込んだときにバイクをデザインできる人を捜していて、そのときにベンツでデザインをやっていたリチャードさんが事務所に潜り込んだらしいです。



・建築と工業デザインの違いは?
建築(イタリア)→構造から考えることをスタートする
工業デザイン(アメリカ)→スタイリングからスタートする





さあ、リチャードさんの作品にいきましょう!

今から紹介する製品は全部研究室にかざってあるんです!!

Brionvegaという家電メーカーから出したAlgolという持ち運べるTVです。最近復刻版が販売されているみたいです。

これがすごい良いんですよ〜。持ち手のところが!!収納されるとキレイに収まって。あとこの形もいいですよね。ずっと置いておきたくなる形ですね。


TS502というラジオです。これも持ち運べるコンセプトでつくられています。

この内側の周囲のRが操作を誘い込んでいるそうです。
またマットな黒と淵のメタル感がたまらないですね。

これも持ち手やアンテナがキレイに収納されます。とってもキレイで真ん中から開けるとカッコイイんですよね〜。


この時計形がかわいいですね。

彫刻と同様に見る角度によって様々に形が変化します。いろんな角度から見て楽しめるデザインってなんかワクワクします。

このペンも両端の処理が同じ角度になっているところが憎いです。このペンに似たペンなんて見たことないです。
木の入れ物もキレイなんだなー。

研究室に飾ってあるのはペンに先生の名前が掘ってあって、金属で平面を生かして名前も彫れるようになってたら自分専用のペンにしたり、プレゼントしたり、いろいろ広がるな〜と思いました。そういうところまで考えてデザインできるようになりたいと、このペンを見て思いました。


Tizioという照明です。
自分の手元だけを明るく照らしたいというGismondiさんのためにつくった照明です。Rのついたパーツ部分で振り子のようなイメージで操作を誘っています。

また、骨組み自体に微弱な電流が流れるようにしてケーブルを廃除しています。かっこいいです。

キッチンタイマーです。上が分で側面が秒になってます。
パーツの構成と数字の見せ方がすばらしいです。マクロとミクロの関係が成り立っています。


やかんです。
このニワトリやかんが一番好きです。この半球状の金属光沢のボディと持ち手のマット感。注ぎ口の開封がピストルのように引き金を引いて行うところも楽しいです。

また、注ぎ口のところはハーモニカのメーカに頼んでつくってもらったそうです。音聞きたい!

ほのかにメタファを使用してデザインすることで、飽きずに愛され、ずーっと使いたくなるデザインになります。


このフライパンやプロ用調理道具シリーズは取っ手や持ち手におもむきを置いています。
フライパン自体はシンプルに、本体から取っ手につながっている部分で一度屈折させて折り返しを付け、持つ部分はRをつけて持ちやすくなっていています。

最後を楕円形にすることでかわいらしさを出し、愛されるデザインをしています。


次はチーズを削る道具です。結構大きくて迫力があります。

これも持ち手にこだわっているそうです。

なんだかピサの斜塔を彷彿させるようなデザインで、大きさの理由もわかるような気がします。


いつも研究室ではこのオレンジバーションのイスに座らせてもらっています。
すごいシンプルなイスなんですけど、プラスチックの中での金属の見せ方がうまいです。

山崎先生のイスも別のリチャードさんのイスでちょっと画像が見当たらなかった・・・ですがめちゃかっこいいんです。

この電話もすごい好きです!!
通常は右の状態で持つと自然と開くようになっています。この構造も好きなんですけど、なんと言ってもこのフォルムが好きです。R加減というか、何回も手でなでなでしちゃいましたよ!!

これも研究室にあったと思います。これなんだと思いますか?
扇風機らしいです。大きさは30センチ×30センチぐらいです。全然扇風機に見えないですけどそこがすごいですね。斜めのスリットで風を出すのと中を隠しているところがさすがですね!

動かしてみてー!!



これが先生のプレゼン資料によく登場するリチャードさんのペーパーモックアップです。
これを1〜2時間ぐらいでつくっちゃうらしいからすごいですね。僕もペーパーモックアップ好きです。カタチが3Dで見えてわかるってのが良いですね。



リチャードさんの作品の画像を探していたら、山ちゃんが出てきました(笑)!♪♪♪

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1029/tp10.htmで先生の現役時代のコメントが見れます。

コメントを見ると先生のデザイン人生を惜しみなく僕たちに教えてくれていることがわかってしまったり、先生のすごさが伝わりすぎてしまって、近寄りがたくなってしまうので僕には毒でした(笑)。


リチャードさんは、
・自然(雲、海などの動きの変化)
・動きに注目している(①彫刻は動いていないけど人間が動いている、②いろんなビューで人は動いて見ている)

そこから、
・飽きのこないデザインを目指している。
・シンプルなんだけどスパイスを加えて興味の湧くものにしている。
・美しさやかわいらしさ、かっこいい形状にして、愛着が湧き長く使い続けていけるようにしている。
・愛着が湧く形状のデザインの中に人が使いやすいようなデザインを含めている。

リチャードさんのデザインは今見ても新しいデザインっていう感じがした。そんなデザインが出来るようになりたいです。

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